万年筆について
万年筆は、毎日使っていると調子が悪くなりにくいものです。たまにしか使わない場合は、インクが乾いてしまい、書きにくくなってしまいます。
また、ペン先はご使用の方の“クセ”(握り方、筆圧、筆記角度など)によって変化し、馴染んでいきます。実はこのペンを別の方が使うと、「書きづらいペン」になるのです。使う人に馴染むからこそ、貸し借りは避けた方が良いでしょう。
なお、メーカー修理に出すとインクの出る量などは調整できますが、書き味は元通りにはなりません。
万年筆は気圧、温度、衝撃による影響を受けますので、
お取り扱いの際は下記にお気を付けください。
- 横や下に向けて持ち歩くと、キャップ内にインクが漏れ出る場合がございますので、持ち歩くときにはキャップを上にしてください。
- 寒暖差が激しい場所では、キャップ内に発生した結露が呼び水となって、インクがキャップ内に漏れ出ることがあります。
- 飛行機などで気圧の差が激しい場合、インクタンク内の空気が膨張してインクが漏れることがありますので、搭乗前にインクを満タンにしておくか、空にしておくことをおすすめいたします。
- 衝撃でインクが漏れる場合がございますので、落とさないようお気を付けください。
しばらく万年筆を使わなくなる場合
万年筆を使う予定がなくなった場合は、ペン先を洗浄してから保管してください。
ペン先にインクを付けたまま長期間放置すると、インクが乾いて固まることがあります。場合によっては、メーカー修理が必要になってしまいます。

キャップに付いている、シャツやノートの表紙などに挟む部分をクリップと呼びます。
大変便利なパーツですが、ハードカバーの本や厚めのペンホルダーなど、あまり厚みのあるものを挟むと、クリップが開いてしまうことがあります。その場合、メーカーでの修理や交換が必要です。なお、クリップに関しては、メーカーの保証対象外になることが多いようです。
インクについて
よく利用されるブラックインク・ブルーブラックインクは、顔料を使用しているものが多いため、こまめにお手入れいただくことをおすすめいたします。万年筆のインクは、髪の毛ほどの細い道を通ってペン先へ伝わります。顔料が固まってインクの通り道をふさいでしまうと、インクの流れが悪くなったり、インクが出なくなったりするかもしれません。そうならないよう、定期的にペン先を洗浄してください。なお、ブルーブラックインクは、筆記直後としばらく時間が経過したときで色合いが変わります。
インクの寿命
万年筆のインクは、開栓すると緩やかに劣化していきます。メーカーや量にもよりますが、なるべく一年以内に使い切りましょう。あまり古いインクを使用すると、インク詰まりの原因になることがあります。
インクの保管について
インクは、製品によって消耗期間があります。まとめ買いなどで長期間保管すると、いざ使うときに書けなかったり、インクの性能が悪くなったりするほか、インクがペン先に詰まってしまうこともあります。また、高温になりやすい場所、直射日光が当たる窓際や車のダッシュボードの様な環境での保管もおすすめできません。インク漏れのほか、インクの劣化・異常の原因となってしまいます。
インクのトラブルについて
万年筆のインクは一度開栓してしまいますと緩やかに劣化いたします。メーカーにもよりますがなるべく一年以内に使い切ってください。あまり古いインクを使用いたしますとインクづまりの原因になります。
インクを補充してください。
まずは、インク残量をご確認ください。極端にインクが少ないまま筆記を続けると、まれにインクタンク内の空気が膨張し、通常よりもインクを押し出す力が強くなり、ペン先から出るインクが普段より多くなってしまう場合があります。
このような場合は、インクを補充してください。カートリッジの場合は、お取り替えいただくことをおすすめいたします。
カートリッジが差し込まれているかご確認ください
購入してすぐにインクカートリッジを差し込んでも、インクが出ないことがあります。まずは、あらためてカートリッジがしっかり差し込まれているかをご確認ください。きちんと差し込まれると、万年筆のインク差込口からペン先へとインクがゆっくり浸透していきます。少し時間がかかりますので、お急ぎの場合はペン先に少し水を垂らし、呼び水にすると早めに浸透させられます。
今一度、カートリッジがしっかり差し込まれているか確認してください
奥まで差し込まれていないと、カートリッジの栓が貫通せず、インクが出てきません。しっかり差し込んでもインクが出ない場合は、インク詰まりを起こしている場合がありますので、ペン先を洗浄してみてください。洗浄後あらためてカートリッジを差し込んでみましょう。
ペン先を洗浄してから取り替えてください
インクが混じらないよう、ペン先を洗浄しましょう。インクは、開栓すると緩やかに劣化していきます。新しいインクに替える際は、ペン先もリフレッシュさせてからインクを補充することをおすすめいたします。また、インクの色を変える場合も、顔料などの成分が違うため、混じらないようにペン先を洗浄いただいてから、入れ替えを行ってください。
お手入れについて
ペン先の洗浄
万年筆のペン先トラブルは、原因の大半がお手入れ不足のため、ペン先を定期的に洗浄しましょう。ロイヤルブルーインクを利用し、毎日お使いになっている万年筆の場合は、およそ3ヶ月に1回を目安にペン先を洗浄してください。ご使用頻度が低い方、ブルーブラックインク・ブラックインクをご利用の方も、ペン先をなるべく定期的に洗浄してください。
- 万が一、インクが出にくいときなどに、無理にインクを出そうと万年筆を紙面に強く押し付けると、ペン先が開いてしまうことがあります。ペンを振るとインクが飛び散るといったトラブルの元になり、場合によってはメーカー修理が必要になってしまいます。
ペン先の洗浄を行う前に、汚れても構わない柔らかい布と、水を入れたコップをご用意ください。
カートリッジを抜き、ペン先部分だけをコップの中に静かに入れます。そのまま一晩浸けておいてください。翌日、流水でペン先を洗い、水気を拭き取ったら洗浄完了です。小さい部品ですので、流水で洗うとき流してしまわないようご注意ください。
万年筆の首軸が少し水に入るくらいまで、ペン先を水中に沈めます。胴軸まで入れないよう気を付けましょう。インクを吸い込む要領で万年筆の吸入機構を動かし、インクタンクに水を出し入れします。汚れがひどい場合は、水を何回か取り替えて行い、万年筆から汚れた水が出なくなれば洗浄完了です。
キャップ内部のお手入れ
万年筆のお手入れのうち、キャップ内部のお手入れは意外と知られていません。
インクが散ったり、寒暖差でできた結露が呼び水になってインクが出てきたりして、キャップ内部にインクが付いてしまうことがあります。そのまま使用し続けると、インク漏れのような汚れが首軸や同軸に付いてしまい、拭いても取れないシミのようになってしまうかもしれません。
キャップ内部は、柔らかい布や綿棒を使ってお手入れします。ひどい汚れの場合は、湿らせた綿棒などで汚れ部分を濡らしてから、柔らかい布などで水気ごと汚れを拭き取ります。
- キャップは、構造上さまざまなパーツで構成されていることが多いため、水に浸けて洗うことはおすすめできません。水に浸けてしまうと、小さなパーツの隙間に水が入り込んでしまいます。しっかり乾かしたつもりでも、携帯時にキャップに残った水が染み出してくることがあります。