水性ペンについて
日本ではあまり広まっていなかった水性ペンは、海外ではローラーボールと呼ばれています。水性インクを使用しているので、発色が良く、最近は多くの製品で応用されるようになってきました。
万年筆のようにきれいな筆跡で、お手入れは芯を入れ替えるだけと、メンテナンスの必要がないことも好まれる一因でしょう。
確かにメンテナンスは不要ですが、お使いいただくうえで、ご注意いただく点はいくつかございます。
水性ペンの取扱注意点
キャップをこまめに閉める
ローラーボールのインクは水性のため、万年筆と同じように、キャップをせずに放置するとインクが乾いて固まってしまいます。
乾かないように機構を工夫しているブランドもありますが、基本的には乾きやすいペンです。インクが乾いてしまうと、内部機構にストレスがかかり、インクの出が悪くなったり乾いたインクカスで流れが悪くなったりすることもあります。
こまめにキャップを閉めておきましょう。
書ける長さと筆圧は?
サイズやブランドによりますが、油性インクのスタンダードサイズのボールペンの場合、書ける距離は4,000m~5,000m、低粘度の場合は3,000m~4,000m、複合筆記具のミニサイズで800m~1,000mといわれています。
ローラーボールの筆記距離は、スタンダードサイズのもので800m~1,000mほどと、油性ボールペンに比べると短めです。
油性インクは紙の上にインクを乗せており、水性インクは紙にインクが染み込んでいます。染み込むため、水性インクの方が消費量は多くなりますが、その分あまり強い筆圧は必要ありません。力を入れずに書けるため、長時間筆記していても疲れにくいという特徴があります。
ゲルインクって?
最近さまざまな種類が出ているゲルインク。
水性インクの「筆跡が鮮やか」「軽い筆圧で書ける」といった長所を備えながら、キャップをしなくてもドライアップ(ペン先が乾かない)で、耐水性に優れている(ブランド毎のスペック差はある)という、ローラーボール(水性ボールペン)と油性ボールペンの良いとこ取りができる筆記具として、輸入筆記具でも扱うブランドが出てきております。
パーカー5thについて
既存の筆記具は、1:万年筆、2:ボールペン(油性)、3:ローラーボール(水性)、4:ペンシル(シャーペン)の4種類とされてきました。そして、パーカーが新たに開発したのが、5番目という意味で5th(フィフス)と名付けられた筆記具です。
特徴は、万年筆のようなスタイルや滑らかな書き味を保ちながら、インクは芯を交換するだけで、お手入れの手間がかからないことです。
5thのインクの耐水性、耐光性、速乾性、筆記距離は?
5thは、水性染料系のインクながら、速乾性・耐水性に優れており、万年筆と比べると筆記後の筆跡がにじみにくいため、筆跡の保存にも適しています。
ペン先は、しなやかに形状が変化する樹脂製のチップを採用。ペン先チップの微細な溝から適量のインクが染み出す独自の構造で、書き手の筆圧や筆記角度に柔軟に対応します。
「パーカー5th」は、これまでにない滑らかな書き味を実現する、パーカー独自の革新的な筆記具です。筆記距離は、スタンダードサイズのローラーボール替え芯が800~1,000mであるのに対し、5thは600m前後です。
速乾性


ペン先形状変化

耐水性テスト

5thのお手入れ
5thは、基本的には芯を交換する以外のお手入れは必要ありません。
メンテナンスが不要だからこそ、存分に万年筆のようなスタイルや滑らかな書き味をお楽しみいただけます。

キャップに付いている、シャツやノートの表紙などに挟む部分をクリップと呼びます。
大変便利なパーツですが、ハードカバーの本や厚めのペンホルダーなど、あまり厚みのあるものを挟むと、クリップが開いてしまうことがあります。その場合、メーカーでの修理や交換が必要です。なお、クリップに関しては、メーカーの保証対象外になることが多いようです。